提訴にあたって

福島原発事故被害救済九州弁護団

団長  吉  村  敏  幸

2014年(平成26年)9月9日、福島第一原発事故から約3年6ヶ月が経過しようとしていますが、本日、九州福岡でも福島原発事故の避難者の損害賠償請求訴訟を提起しました。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災とこれに続く福島第一原発の爆発による多量の放射性物質の拡散は、福島県のみならず広く東北地方・関東地方、さらには日本各地の環境を汚染しました。
そして、多数の方々が当地を逃れ、日本の各地へ避難するという未曽有の事態が発生しました。
当時、日本弁護士連合会と各地の弁護士会は総力を挙げて、この避難者の方々の救済活動に乗り出すことを決意宣言し、直ちに継続的な法律相談活動を行なってまいりました。
ここ九州福岡地区においても、福岡県弁護士会の災害対策委員会の委員を中心として、避難者に対する相談活動が継続されてきましたが、いよいよ相談のみに止まらず、具体的な損害賠償を求めざるを得ない状況となり、準備を整えてまいりました。
今日の第一次提訴者は、概ね福島県の区域外避難者を中心とする方々と、関東地区の方々、合計10世帯31名の原告数です。
今回の提訴の意義は、第一に、福島第一原発事故の被害者の方々について、避難指定等の区域内外を問わずに、九州地方にも多数の避難者が存在することを認識し、等しく彼らを救済の対象とすること、第二に、国と東電に法的責任を認めさせたうえで、被害者に対する完全なる賠償を求めること、にあります。
避難者の方々は、それまでの社会的・経済的関係のすべてを断って九州地区へ避難してこられたために、経済生活は相当に苦しい状況にあります。そのため今回の訴訟も、訴訟費用節減のために一部請求という形を取らざるを得ませんでした。
私たちは、今後、できるだけ早急に解決がはかられるように、全国の弁護団と連携協働して訴訟活動を行なう所存です。
そのためには、原告らおよび第二次、第三次と提訴予定の多くの被害者の方々の努力が重要です。
提訴にあたって、ともに闘っていく決意であることを表明して、弁護団長のご挨拶といたします。

訴訟の概要

平成23年3月11日東日本大震災により福島第一原発事故が発生しました。この事故によって、多くの方々が住んでいた街を遠く離れ、全国各地に避難されましたが、避難者の方々には経済的精神的に大きな苦しさを押しつけられています。
九州地区へは、福島県外からの避難者が多数避難されています。しかし、かかる避難者には、東京電力からの十分な賠償金を受領しておらず、国からも何らの救済を受けていないのが実情であります。

現在、全国各地で福島県内からの避難者を中心に東京電力に対する裁判が行われていますが、今回、九州地区でも避難者が国と東京電力に慰謝料などを求める裁判を起こすことになりました。

この裁判は、福島県内の避難者はもちろん、福島県内からだけではなく、関東圏など他県からの避難者からも声を上げる機会を提供するものです。
 福島県内からの避難者はもちろん、福島県外からの避難者を含む方々が声を挙げるのであれば、そのお手伝いをしようと思って多くの弁護士が集まりました。それが福島原発事故被害救済九州弁護団です。

東京電力と国に対して請求しないまま、あきらめていませんか。わずかの賠償で、仕方ない、とあきらめていませんか。どうぞ皆様、われわれの弁護団に連絡してください。お待ちしております。